誕生日の指輪の不思議 母が亡くなっているのに

中嶋あき子(仮名)のエピソード8

20歳の誕生日に不思議なことがありました。母は私が幼いころに亡くなっています。ですので私のバースディパーティーの開催場所がわかるはずがありません。なのに、この日に母からのプレゼントが届いたのです。さらに翌日こんなことも・・・

お尋ね2問

〇運命を感じたことがありますか。

「育ての親との出会いにそれを感じました」

〇なりたかった職業を教えてくれませんか。

「音楽家です」

母からの言葉

・(カウンセラー)先ほどの運命についてもっと詳しく教えてください。

「(相談者)産まれてすぐに両親が離婚しました。私が2歳ぐらいのときに母親が亡くなり養護施設に預けられます。ここから半年ぐらい経過したころです。夫婦が私を迎えにきてくれたのです。両親だと思い、言われるままについていきました。」

「父と母はとっても仲がよく、私もその中で交わりながらはしゃいでいました。このような環境の時がたつのが早く気が付くと、もう高校の入学式のその日です。」

「この式の帰り道のことでした。母が私にこう言ってきたのです。」

‘’あなたはね。私たちの本当の娘じゃないの。

でも本当の家族以上の家族よ。高校入学おめでとう‘’

「私なりに薄々このことを感じてはいたのですが、母の口から直接、このタイミングで聞けたことに本当に嬉しくて、涙がほほをつたっていました。この両親に出会い育ててもらったことに運命を感じた瞬間でした」

導かれた道

・なりたかった職業について詳しく教えてくれませんか。

「父はプロのピアニストで母は歌手でしたので、どの部屋にいっても音楽がながれていました。父がピアノを弾きはじめると、どこからともなく母が現れ歌いはじめます。そして、この歌声が私の耳に届いたときには、母のとなりでリズムをとったりダンスを踊ったりしていたのです」

「父の指導もあってピアノを弾きながら歌いはじめたのは6歳のころです。母が教えてくれたのは得意とするシャンソンです。このような環境で育っていきましたので、将来は音楽家になろうと決めていました。」

目標

・(カウンセラー)ご両親はあなたに音楽家になってほしくて、この環境作りをしてきました。音楽科のある高校の入学を薦めたのもお父さんですね。(本人うなずく)どうしても、音楽の勉強をしてもらいたかったのです。

それはファミリー楽団を作り、ここに一人でも多くの子供たちを加えていこうとしていました。そして、あなたをここのリーダーにしたかったのです。このような思いからきています。

知りたい

・(カウンセラー)このようなお父さんを見て、あなたは今までどのような方だと思っていましたか。

・「(相談者)シャンソンバーの経営のかたわら養護施設に野菜やお菓子などを届けたり、オルガンを弾きながら子供たちと一緒に歌っていたとも聞いていました。そのような父の姿を一度も見たことがありませんが、責任感がとっても高く温厚で慈悲深い方だと思っています。」

「その父のことになりますが、施設にいる子供たちの中から、なぜ私を選んだのか。ここのところを知りたいと思っています。教えていただけませんか」

愛がつなぐ

・(カウンセラー)それは、お母さんの前世に関係しています。フランス革命のさ中のことです。ビスケー湾に面した小さな町の教会で、病気を抱えた女性が最後の気力を振り絞り出産しようとしています。

・この女性は無事女の子を出産したのですが、一度も抱くことなくこの世を去ります。この子が現在のあなたなのです。そして、亡くなったその女性が現在の育ての母親になります。父親は革命の戦士として戦場で戦っていました。その方が現在の育ての父親なのです。

・赤ん坊を引き取り育てていくのが教会で働く母親の同僚の修道女でした。父親とは一度も出会うことなく生涯を過ごしていきます。

・このような過去があることから、来世では家族3人でいつまでも一緒に暮らしていきたい。この思いが強くありましたので、今世でこのような形でめぐり逢うことになったのです。

・現在のあなたを産み2歳の時に亡くなった母親のことになりますが、その方は前世の教会であなたを引き取り育ててくれた修道女がこのような形となっての出会いとなりました。

・前世の両親は教会で知り合い聖歌隊のメンバーでした。ここで音楽とふれあい今世に結びついていくのです。

徳を積む

・(カウンセラー)あなたには、幼い頃病気で亡くなったお兄さんがいます。この方はいつも側にいながら大きな影響を与えつづけています。

人間の体は亡くなり魂は霊界に帰ったとしても、あなたと同様にすべてにおいて成長していきます。今、あなたの右側に立っています。

そしてこう言っていますよ。

‘’目標に向かって一緒に歩んでいこう‘’

この方は誠実で思いやりのある方ですので、現在の目標は良い方向へと進んでいきます。ただ、あせるのは禁物です。

最終的にはあなたの判断になりますが、つまずいたらお兄さんにお尋ねください。いろんな形で教えてくれますので。それと、常に良いことを思い、良いことを心がけるようにしてください。そうすると良い方向へと必ず展開していきます。

妙な出来事

・ここで相談者がこのようなことを言い出します。

「普通では考えられないとっても不思議なことが起こりました。それは20歳の誕生日を1週間後に控えた日のことです。音楽学校の先生や友達が私のバースデーパーティーを開いてくれることになったのです。」

「その場所は学校の近くの老舗の喫茶店でした。」

「そしてその日がやってきます。」

「バースデーソングの合唱がはじまるときでした。喫茶店のママさんが私にこう言ってきたのです」

”あきちゃん。この指輪をはめて、あなたと一緒にこの合唱を聞かせてあげて”

「言われる通りにしました。そのあとです。」

”実は、この指輪はあなたを産んでくれたお母さんからのプレゼントなの。お母さんはここで働いていたのよ。あなたがお腹の中にいるときも、そして、出産する数日前に私にこう言ってきたの”

『20歳の誕生日の日に娘がここに来ますから、この指輪を渡してあげてください。これが私からのプレゼントです』

”こう言って私に託したの。病気がちだったお母さんの名前は中嶋明美と言うかたです。とっても優しくて責任感のある方でしたよ”

そして涙のバースディパーティーがはじまっていきます。

タイミングよく花束が2束届きました。祝福を受けながら時間が経過していきます。そんなときでした。1人の女性がこう言います。

「今、外に出ていったあの人は誰なの?」

え?と思いながら扉を開けると、そこには、もう誰もいません。その方は女性だったとか。いったい、その方は誰だったのでしょう。

・なぜ母親が、この日に娘がこの喫茶店に来ることが分かったのか。指輪のサイズもなぜかぴったりなのも不思議です。それに、あの女性はいったい誰なのでしょう。

最後に

・パーティーが終わった次の日のことです。気になることがありました。

花束のひとつはこの場所に足を運べなかった学校の担任の先生からでした。もうひとつが誰からなのかが分かりません。花屋に尋ねても中年の男性だったことしか分かりませんでした。いったい誰が贈ったのか。これも謎のままです。

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