異性への本当の愛をつらぬいた一人の女の幸せ
女優・秋本彩菜(仮名)の不思議な体験
2012年4月、あの大震災から1年が過ぎたころです。映画の主演オファーが届きました。内容は明治40年ごろの恋愛でしたが、あまりにも愛情や欲望がどろどろしすぎて演技する自信がありませんでした。そこでモデルとなった女性のお墓参りを撮影スタッフらと行くことにしたのです。
憑依
5月18日、その方のお墓は渋谷にありました。住職から案内してもらいながら、その場所に向かう途中から空気感がどことなく違うような気配を感じていました。花を手向け線香をさし合掌をしようとしたときです。
何かゾクゾクめいたものを感じたのです。そこで隣にいた霊感の強いスタッフの佐々木技師にこう告げました。
「今、入ってきたみたい」
すると私の耳元でお題目を唱えながら脇を抱え本堂の隅の方へ移動しました。
「間違いなく、誰かが入っています。一時的な除霊をおこないました。一旦ここを立ち去りカウンセラーの所に行きましょう」
未成仏霊
「(カウンセラー)憑依していたのは2体です。共に成仏していません。その中の1体は確かに墓石の下に眠る日下部サキさんです。映画のロケのためのお参りに来たのも知っています。あなたの身体の中に憑依したときに、この方自身の愛についての思いをすべて伝えました」
「(秋本)今まで私なりに想像していた日下部さんとは全くちがう性格の持ち主でした。男というものを本気で好きになったのは初めてだと言っていました。純粋で無邪気でとっても可愛らしい方です」
「体の中にいた数分間はとっても有意義でした。今まで考えていた演じ方とはまるっきり違う方向での演じ方が必要になりました。これをさらに彼女が伝えてくれた愛の生き方を現代風に取り入れ仕上げていきます」
「それと今世に未練があると言っています。できることがあるなら協力でもしようと思っているところです」
「(カウンセラー)協力はしないでください。絶対いけません。帰る場所があります。そこへ帰らなければなりません。貴女がいつまでも受け入れる側でいると貴方自身が破壊されてしまいます。霊を絶対に甘やかしてはいけません。」
「人に頼ろうとせず自らを救おうとするのが本来のあり方です。絶対受け入れてはいけません。意識をいますぐ変えてください。そうすれば精神的に大分楽になります」
再び
(秋本)すべてのロケが無事に終わり、行きつけの居酒屋での打ち上げがおこなわれました。2時間ほど経過した頃でしょうか。なんかゾクゾク感を覚えました。もしかすると、そう思い佐々木技師を呼んでもらうと。
「その通りですけど、あの時とはどこか違いますね。もう離れています。明日、あの時のメンバーで撮影のお礼をしにお墓参りに行きましょう」
寺に到着したときです。漂う空気がちがうなと思いながら、あの墓の前に行くと、綺麗な花が飾られ墓石も綺麗に掃除されていたのです。誰がこのような事をしたのか。住職に尋ねると
「2日前に男性1人と女性2人の3人で掃除していました。あなた方だと思っていましたよ」
ロケが終了した日です。
これは私たちではありません。
いったい誰なのか・・・
昨夜の憑依はこのお礼なのか。と言っても掃除したのは私たちじゃない。
(カウンセラー)今回の憑依はこの映画の主演を務めたあなたにお礼を言うために現れました。貴女の努力もあり、この女性が思っていることをすべて映画の中で表現してくれました。もう今世に未練が無いそうです。お墓の掃除の終了と同時に天にお帰りになりました。
このお墓の掃除の件ですがあなたの身近な人がおこなってくれました。この方は誰なのか近々わかるはずです。あなたの気付きによってすべてが動き出したのです。
霊との出会い
「(秋本)20代前半の頃でした。もう一人の私が上から寝ている私の姿を見ているのです。夢のようで夢じゃない。そして一週間後のことです。また同じ現象が起きました」
「そこで、霊感の強い叔母に尋ねてみると幽体離脱だというのです。ここで私自身も霊媒体質であることを知りました。そしてこの事実を受け入れた日から今まで以上に不思議な体験が起こりはじめたのです」
「特に悲しみを抱えた霊がたくさん来ました。今回の映画のときの霊もそうです。日頃から同情してしまう性格があるがゆえに憑依してきたのでしょう」
「特に今回の場合は、今までとはまったく違うタイプでしたので、新たなスピリチュアルの世界を知ることができました。これまでは自己中心的な考え方で生きてきましたが、他人に対して寛容になることが許すという心につながっていくこともよく分かりました」
「今世では物質的な豊かさに幸せを求めようとします。しかし、あの世では物質的な幸せは意味がありません。この事を知るうえで必要なのは、肉体が滅びても魂は永遠に生き続けていくと言うことです。まず、この魂の存在を知ることです」
「この事を知ると本当の幸せとは何なのか。この理由も分かってきます。それには魂をいつも清らかに保ちながら、常に自分に恥じない正しい生き方をすること。ここに幸せが集約されていくのだと思います」
いったい誰
映画も一通り公開され一息ついたころ、いつもの居酒屋にいきました。すると、ここの女将さんが墓掃除の話をしだしたのです。ここで私たちはお礼を述べました。
ここで奇妙なことを言います。
「私と旦那の2人で2基の墓掃除はしんどかったですよ」
ここで驚いたのが3人じゃないのと墓は2基だという事です。それに寺の住職は間違いなく3人だと言っていた。ここで周りから色々な意見がでました。もう一人はサキさんの亡霊だとしても、もう一つの墓はどこにあったのか女将さんに尋ねると。
「背中合わせの真後ろにありましたよ」
そこで次の日にその場所にいくと、墓石の裏側に大久保定男と彫られていました。住職に尋ねると後継者が無く近々墓じまいをするというのです。情報もここまででした。
なぜ、ここの墓の掃除をしたのか再度夫婦に尋ねるも分からないまま掃除を終えていた。と言うだけです。誰が夫婦コントロールして掃除をさせたのか。
謎はいまだに解決していません。
最後に
映画の最終日に行ってきました。最後にふさわしく満員御礼で幕を閉じました。主演を務めた秋本彩菜さんの愛を表現する演技力は見事としか言いようがありません。思わずあのサキさんもこれを演じてほしかった。これはまちがいなく納得のうえでの成仏です。
あのお寺の高山和尚の三代前の高祖母の旧姓は大久保と言います。墓掃除をしたあの墓石名も大久保でした。和尚はなぜ、あの事を語ろうとはしないのか。骨壺の中に入っているかんざしはいったい誰の物なのでしょう。
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