悪魔に取り憑かれた男が仕掛けた罠

カルテ3 本日のカウンセリングは飲食店を経営している藤田良美(仮名)さんです。

相談内容

「お付き合いしている彼が何かに取り憑かれたような顔に変化するときがあります。ここから暴力行為のはじまりです。毎日が怖いです。この環境から逃げたいのですが、どのようにしたらよろしいのでしょう」

経歴

1997年7月、埼玉県某市で出生。地元短大を卒業後、都内にOLとして就職するも2か月で退職。夜の社交場へ職の場を移しその後、独立し飲食店のオーナーとなる。

お尋ね2問

〇あなたと彼はどこで出会ったのか教えていただけませんか。

「私が経営するスナックで出会いました」

〇彼はどのような仕事をしているのでしょうか。

「不動産関係の仕事をしています」

アンマッチ

・(カウンセラー)あなたがどのような経緯で飲食店を経営するようになったのか、詳しく教えていただけませんか。

「(相談者)高校卒業後、都内の商社への経理事務としての内定が決まっていましたので、ここに就職いたしました。ところが、なぜか人間的だとか仕事がつらいとか。そのような問題ではなく、デスクワークそのものが性に合わず2か月ほどで退職してしまいました。」

「その後、コンビニやスーパーでの仕事など色々な分野を経験したのですが、なぜかどれもしっくりときません。そんな時、友人から夜のクラブのアルバイトを持ち掛けられたのです。これも軽い気持ちで承諾しました」

新たな出会い

「ホールスタッフでしたので、皿洗いから何から何まで目まぐるしいほどの忙しさで、あっという間にこの日が過ぎていきます。このような日が3週間たったあたりです。ホステスの欠員のための代役としてはじめて接客のテーブルに付くことになりました」

「はじめての経験でしたので不安なままで席に着きました。そして客との会話がはじまると、これがまた楽しい。ほんとに楽しいのです。次の客もそのまた次の客も。本当に楽しくて胸の鼓動が高鳴っているのがわかりました」

「この職業こそが私の適職だと強く痛感しました」

「そして興奮しながらこのことをマネジャーに伝えたところ、次の週から正式なホステスとして働くことが決まりました。ここから新たな人生がスタートできる。このような思いになっていました」

「そしてここから4年後、蓄えた資金を元手に渋谷区富ヶ谷で私を含め女性ホステス6人のミニバーをオープンさせました。ここまでがオープンの経緯になります」

霊視

・(カウンセラー)まずは、あなたの前世から説明いたします。時代は江戸の後期ごろになります。あなたは木曽郡の妻籠宿(つまごじゅく)で女将として宿を経営しています。

雇用している仲居さんは10人ほどで、ここの地区ではやや規模の大きいところです。あなたはとっても明朗活発なうえ従業員からもお客様からも信頼があり、そのうえ経営力もありましたので町の中ではトップに入るほどの繁盛店でした。

あなたがクラブでの接客のときに、この時の記憶がよみがえってきたのです。接すれば接するほど楽しくなってきたのはここからきています。

そして、現在の守護霊も同じく宿の女将さんが憑いています。

パートナー

・(カウンセラー)つづいて彼との出会いを詳しく教えてくれませんか。

「(相談者)出会いは1年ほど前になります。はじめて店にお越しになり、一人のホステスをご指名いたしました。気に入ったのか、ここから毎日来るようになりました。それはそれでいいのですが、お金の使い方が普通じゃありません。」

「そこで頂いた名刺から素性を調べたところ反社会的勢力の方だったのです。そこでお気に入りのホステスに事情を話し近づかないよう指示をだしました。ここから数日後でした。その本人も気付いたのでしょう。今度は私に鞍替えしてきたのです」

作戦

「毎日のように指名をしたり電話をよこしたり、実際に資金のほうは相当あったようで、口説き文句もベンツを買ってやるとか、ハワイにマンションを買ってやるとか。そりゃあ凄い内容ばかりでした。」

「ところが、ぴったりと店に顔を出さなくなり、電話も来なくなったのです。どうしたのだろうと。私の方が心配するほどになっていたのです。これは、彼の罠だと気付いたのは彼の女になってからです」

・(カウンセラー)これは最初からあなたを口説くためのシナリオです。それはあなたを何かに利用するつもりでいたからでしょう。どのような事でもかまいません。彼以外のことでもかまいません。何か気が付いたことがあれば、教えていただけませんか。

「(相談者)まずは彼のことから。彼がマンションへ帰って来るのは、10日に一度程度で会話らしい会話もなく1日を過ごすだけでした。ですので、どこで何をしているのか皆目見当もつきませんでした。」

変身

「ところが、1年半ほど前にマンションの引っ越しをしました。そこには彼専用の部屋がありました。私は立入禁止でしたので、そこに何があるのかまったく分かりません。ここに引っ越してから半年ぐらいは経ったでしょうか。この部屋から出てきたと思ったら顔が青ざめていたのです。そしてそのままリビングのソファーに倒れ込み眠りにつきます。」

「ここで朝を迎えます。いつもの顔に戻っていました。そしてその夜のことです。また、その部屋に入っていきました。1時間ほど経つとこの部屋から出てくると、その顔は目が吊り上がり唇は大きく裂け、まるで獣のようでした。」

攻撃

「そして奇妙な踊りをはじめたかと思うと私目がけて飛びかかってきたのです。

その場にあったソファーのクッションでガードしてこの場を防ぐと、あっけなくソファーに倒れ込み眠りについたのです。」

「またこの状態で朝を迎えます。そしてこの夜のことでした。あの部屋から出てくると、いきなり殴る蹴るの攻撃を仕掛けてきます。これには、すべてガード仕切れずかなりの痛手をおってしまいます。」

「その後です。かなり空腹だったのか、食卓の料理を手で食べ始めたのですが、それはまるで飢えた獣のようでした。何かが取り憑いているのが直感的に理解できました。」

「しかし、私の能力ではこれ以上の答えも出せないことも分かっていました。そしてこの暴力的な行為は徐々に増えていくようになっていくのです。」

安らぎの人

「心の支えになっていたのは店の女性スタッフとお客様との会話です。特に常連客の木村さんはとっても優しく接してくれて心の拠り所となっていました。年齢的には60歳中ごろでしょうか。とっても品があり言葉のリードがとても上手な方でした。」

「仕事は定年になっているとは言っておられましたが、過去の仕事に関しては一切言わない方でした。この事に関しては私も他のホステスも聞かないようにしていたのです」

「この方に関して不思議なことがあります。いつも一人で来店するのですが、連絡をよこすわけでもないのに指定しているボックス席がなぜか必ず空いているのです。どんなに混んでいてもですよ」

謎の婦人

「一か月ほど前のことになります。一人の女性を連れて来られたのです。50歳ぐらいの方でとっても綺麗でお洒落な方でした。一見、奥様かと思いましたが、席に座ったと同時に”友達だよ”と紹介してくださったのです」

「木村さんはいつものカクテルでした。ご婦人は

”バカルディー黒をトニックウォーターで”

のオーダーをくださったのです。この店でははじめてのオーダーでした。」

予知言葉

「2人の話の内容はいつものように一般的な雑談で進んでいきます。そんな時です。ご婦人の方が私に向かい、こう言うのです。」

”お体もうすぐ楽になるわ”

「一瞬戸惑いました。何のことやら。私のあの虐待のことを知っているかのような言い方に聞こえてくる。楽になる。どういうこと。彼とのことは、女友達以外誰にも話していないのに。そして私はこう答えました。」

”明日はエステの日ですので。きっと体が楽になると思います”

分からない

「すると返事が返ってきたのですが、口は動いているのに声が届かない。そこで、もう一度聞き返そうとした時でした。隣のの木村さんがこう言ってきたのです」

「聞こえなくて当然。後でわかるから」

「いったい何のこと。さっぱりわからないまま雑談のつづきがはじまっていきます。このことが、私の中で一番気になる出来事になります。」

霊視

・(カウンセラー)これから用意するものを言います。あなたがお付き合いしている男性の写真と身近でお付き合いしている方々の写真。現在住んでいるマンションの部屋の見取り図、これは手書きでかまいません。こちらをご持参ください。

ここから2日後です。

指示されたものを用意したのですが、こう付け加えます。

「彼の顔写真は入手できませんでした。今の彼の精神状態では無理です。何か話をしようとすると鉄拳が飛んできますので、お時間をください。」

げてもの部屋

・(カウンセラー)では、今からマンションの部屋にお邪魔いたします。玄関を入って右側の部屋が彼専用の仕事部屋ですね。ここは彼以外立ち入りができないようになっています。(相談者が深くうなずく)

ここは凄いですね。キャビネットの中にはドクロが3つとミイラになっている猿と思われる動物が2体。他にも数点。テーブルの上にはコブラの剥製やコウモリの干物などなど。部屋中に生臭さが漂ってくるものばかりです。これはいけません。

ブードゥー教か。これに似たような宗教を信仰した背後霊が憑依している可能性が高いです。ゲテモノ趣味も度が過ぎています。この部屋に一人で閉じこもり呪文でもあげているのでしょう。

守り人

その他の部屋になりますが、特に問題はありませんが、生ごみをためないようにしてください。もし、ためてしまうとかなり臭くなります。これは魔界の連中が好む臭いですので注意してください。汚れた衣類も早めに洗濯をするようにしてください。

それに、あの彼の部屋以外は誰かが結界のようなものを張っているように感じます。それが誰かはわかりません。

性格判断

・つづいて、女性の友達の写真を拝見します。とっても綺麗なオーラの色をしている方です。現在お住まいのマンションは、以前あなたが暮らしていたものですね。

それを友達に貸しています。いざとなったら、あなたの隠れ家にしようとしています。(相談者が大きくうなずく)この方なら、しっかりしていますので大丈夫です。

不可思議

・つづいて、店のスタッフを拝見します。まったく問題がありませんが、この黒のドレスを着ている方はどなたですか。(相談者:チーママです。)あなたと彼が一緒に暮らしているのを知っている可能性があります。

あなたの情報を彼に提供しているかもしれません。していたとしても大きな問題になる程度ではありません。今のところは。

・あの気になる常連客はどこに写っていますか。

(相談者:ここに、あれ?写っているやつを持ってきたのに。)

・今度、その写真をお持ちになる際に、父方のおじいちゃんの弟が亡くなったとき、葬儀場で映した写真が実家にあるはずですので、そちらをご持参ください。

影で支える

ここから3日後、指示された通りの写真を持参しテーブルの上に差し出します。

・(カウンセラー)常連客はこの中のどなたになりますか。

「(相談者)このボックスに・・・座っていません。確かに座っていました」

実家から届いた写真の中のどの辺に両親がいますか。

「左から5番目が父でその隣が母です」

では、祭壇に飾ってある写真をよく見てください。

「・・・え〜!」

「あの常連客の木村さんに似ています」

あの人の正体

・(カウンセラー)あなたが幼い頃よく一緒に遊んでくれました。本当によく面倒をみてくれた方です。その後、海洋調査の仕事で東南アジアを転々としミャンマーの女性と結婚するまでは良かったのですが、

アンダマン海の海底調査の最中、事故にあってしまい亡くなってしまいます。あなたが小学校低学年のときでした。

この方が補助霊となって守ってくれています。あのマンションの結界のようなものもそうです。あなたが気が付かないところで、いつも守ってくれていたのです。

自宅マンションに戻りましたら、この写真の前におじさんが大好きだったミャンマーの紅茶ラペイエ。これは濃い紅茶にコンデンスミルクを多めに入れたものです。ぜひお作りになり差し上げてください。とっても喜んでくれますよ。

あの彼との縁も近々切れるはずです。

ここから1か月後のことです。

彼の建築事務所に違法建築と脱税の疑いで強制捜査がはいります。

気になる酒

ここから半年後でした、カウンセラーが相談者とお会いしたところ、佐々木良美は店も自分名義のマンションも処分し埼玉で新たな飲食店のオープンに向け奮闘中とのことでした。

そして、仲の良かった友達の事を尋ねてみるとこう返ってきます。

「現在、朋美とは同じマンションで一緒に暮らしています。いつも楽しいのですが、2人で暮らしていて分かったことがあります。それは、いつもバカルディー黒をトニックウォーターで割って飲んでいるんです。私が知る限りこれで2人目です。なぜ、このカクテルを好んでいるのでしょう」

「(カウンセラー)なぜなのかは、それは分かりません。これは美味しいですからね〜 たくさんの方が飲んでいらっしゃいますよ。そう、思っていた方がよろしいかと」

最後に

今回の店はスナック風居酒屋だとか。どのようなスタイルの店になるのでしょうね。今度、どうでしょう。小生と一緒にここの店に遊びに行ってみませんか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました