襲ってきたあの大きな過ちに感謝の日々(前編)

カルテ13 本日のカウンセリングは俳優の田村多美子(仮名)さんです。

悩みごと

 「20代の時です。してはいけない事をしてしまい、今でも心のしこりとして残っています。時には夢に出ることも目が覚めると涙を流しながら謝罪しています。本当にとんでもないことをしてしまいました。この過ちをどのようにしたら許してもらえるのでしょう」

経歴

1973年3月、東京都で出生。千代田区の高校を卒業後、音大在学中から舞台女優として活動をはじめる。ここから本格的にこの世界に入っていく。

・(カウンセラー)過ちについてもっと詳しく教えていただけませんか。

「(相談者)それは父親に対してのことになります。日頃からまったくというほど意見が一致することがありませんでした。

私もこの通りの性格ですし父も相当の頑固者でしたので2人の戦いがはじまってしまうと、もうエンドレス状態です。」

「父が亡くなるこの日も衝突しました。いつもより大声を張り上げての争い方でした。すると父が突然、口から泡を吹き出し硬直状態で倒れてしまったのです。

病院へ運ばれましたがもう手遅れでした。そして私が見ている目の前で帰らぬ人となったのです」

「このような結果につながったのはすべて私の責任です。たわいない事を尋ねなければよかった。これがすべての原因となったからです。心痛の思いが毎日つづきました。

いっそ死んでしまおうかなとも思ったほどです。色々な方々に相談をして歩きましたが、これといった解決策もなく本日まできてしまいました。」 

父の性格

・(カウンセラー)ここで父親の性格をお伝えいたします。

知っているようで知らない。知ろうともしなかった本当の性格をお話します。仕事面や人間関係において精神的な部分でだいぶ苦労を重ねていました。

家族の前では、できるだけ笑顔を絶やさないようにしていたのですが、ときどき家族に対して怒鳴るときもありました。

娘からしてみると、仕事のうっぷんを私らに向けていると思っていたことでしょう。でもこれは、家族にだけは苦労をさせまいとする父親なりの家族愛からきていたのです。

口下手で表現力も上手でない父親なりのやり方でした。

娘への思い

特に躾に関しては口うるさかったはずです。世の中に出た時に恥ずかしい思いをさせたくない。このような思いからきていました。

言い過ぎた部分に関しては、自ら深く反省し、次の日には大好きなショートケーキを買ってきたこともありました。これは心に思っている気持ちを素直に表現できずにいたからです。

この事は、あなた自身もよく分かっていたはずです。そんなお父さんがとっても大好きでありませんでしたか。(本人、大きくうなずく)

・それと後悔の念がひとつあるようです。それは、あなたが20歳になった時の晴れ着姿を側で見ることができなかった、この時の写真と一緒にお酒を仏壇に手向けるようにしてください。

ドラマのオファー

「(すると相談者がこのような事を言いだします)亡き父に関する話しをいたします。ドラマのオファーが届いたときから、それは始まっていました。」

「内容は幽霊を題材としたものでした。いつもは怖さからお断りをしていたのですが、今回は不思議と抵抗を感じることなく受けていたのです。私の役柄は強い霊感をもつOLでした。そして収録がはじまっていきます。」

ドラマ「父からの愛」

〇 ストーリー 

木村忠雄は妻を10年ほど前に病気で亡くし、今は中学2年の娘と2人で新小岩のアパートに暮らしています。性格も温厚で明るく娘もこの父を見習ったかのような性格の持ち主でしたので、近所でもとっても評判のよい親子でした。

仕事は渋谷区にある中堅の印刷会社に勤め、休日の日には、いつも1人で山に蝶々収集に出掛けていました。

翌月の3連休には台湾での収集を予定に入れるほどの熱のいれようでした。娘はいつもの事でしたので炊事などは慣れたものです。

この連休の初日、父を笑顔で送り出します。

ところがこの2日目のことです。父・忠雄が崖から足を滑らせ転落してしまい帰らぬ人となってしまいます。ところが、当の本人は亡くなった事にまったく気が付くことなく娘の元へと帰っていきます。

ここから7日ほどが経過しました。

隣の部屋に暮らすOL(田村多美子)が変なことに気付きだします。娘の声が聞こえてくるも父親の声がまったく聞こえてきません。小声にしても多少は聞こえてきてもいいはずなのに。

そこで次の日、娘が学校に登校する時間に合わせ部屋を出て、この事を確認すると、”お父さんと普通に話しているよ”との事でした。

でも、どうしても納得がいかず、この夜ベランダ越しに覗いてみると、確かに、そこには父親の姿がありました。

しかし、それは幽霊だったのがすぐに分かりました。なぜなら、OLは強い霊感の持ち主だからです。

その翌日、娘が学校に出掛けたのを確かめ、父親に亡くなっていることを伝えるのですが、この事実を受け入れようとしません。すると、ここに会社の同僚が訪ねてきたのです。

〇ここまで

感謝

・すべての撮影が終了いたしました。その打ち上げの際の挨拶でこのような事を話しだします。

「(相談者)このドラマに取り組みはじめた時からでした。自分の中で何かがうごめいているような感じをおぼえていました。

しかし、それがいったい何なのか分からずにいたのです。ところが撮影が進むにつれて心の扉が少しずつ開いていくのが分かりました。そして撮影がすべて終了します。

このとき何故か、もう一度この内容を振り返ってみようと思ったのです。そしてここで、分かったことは、

”誰かが亡くなってしまったとしても、この魂はいつまでも生き続けていく”

ということです。

今までは、人間の肉体のことだけしか考えたことがなく、父を責め続け死に追いやったのは私自身だと思い続けてきました」

「これからの人生を歩んでいくには、このことが余りにも重荷になりすぎる。このように感じ、いろんな方々に相談しながら助言をいただきました。

しかし、まったく理解することができずにいたのです。そんな時、このドラマのオファーが届きました。」

「ここからです。何がなんだか分からないまま撮影がはじまり、そして終わりをつげました。

ここで、ようやく納得することができました。憶測になりますが、このオファーは亡き父が手配してくれたように思えてなりません。」

「たった今、不思議なことが起こりました。体の中からス〜ッと何かが抜けていく感じを覚えました。

このとき、父に対する罪の意識も消えていくのが分かりました。私自身、本当に驚いています」

・このことについてカウンセラーはこう話します。

なぜ、あなたがここまで苦しんできたのか。それは生きていく上での感覚が他の方々と比べるとまったく違っているからです。

遠い過去(前世)にどのようなことがあったのか霊視する必要があります。

このつづきは後編をご覧になってみてください。

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