カルテ28 本日のカウンセリングは、歌手の奈良美津雄さん(仮名)です。
Q「いつものように朝の第一声を発したときでした。なぜか声がまったく出ません。何度かためすも、やっぱりダメです。いまだに、その答えが見つかりません」
A「その答えは、あなた自身に隠されています」
生い立ち
1971年、宮崎県某町に生まれる。養護学校を経て某音楽大学を卒業したあと、海外の音楽院に留学する。その後コンクールを経てプロの世界へ。
お尋ね3問
〇子供のころになりたいと思った職業はありますか。
「巫女さんです」
〇あなたの人生の中において大切だと思っていることは何ですか。
「1人で過ごす時間です」
〇前世の職業は何だと思いますか。
「吉原で仕事をしていたと思っています」
音楽環境
・(カウンセラー)先ほどの職業について詳しく教えていただけませんか。
・「(相談者)子供の頃でした。どこからか音楽のような音が聞こえてきました。テレビやラジオからではないのが分かりました。そこで外へ出てみると神社の方角でしたので足を運んでみると。
そこにいたのは、白い上着に赤いスカートのようなものを穿いた女性が境内で踊っていたのです。それが、あまりにもきらびやかで見とれてしまい、大きくなったら、あの音楽の中で、あの衣装で踊ってみたい。
そう思うようになっていました。そして、この音が耳に届くたびに、いつも足を運ぶようになっていたのです。これが雅楽と巫女舞の出会いであり、もう一つの遊び場にもなりました」
将来の仕事
・(カウンセラー)この出会いは必然です。なぜなら幼いころから音楽の道へ進むためのプログラムが設定されていたからです。雅楽が奏でる音に敏感に反応したのも、ここからきています。そしてここで、この音のリズムが記憶されます。
1人の空間
・(カウンセラー)人生の大切なことについて詳しく教えていただけませんか。
・「(相談者)それは1人の中年男性との出会いでした。悩みごとがある時はいつも、いきつけの喫茶店に立ち寄り友達らとたわいのない話で盛り上がっていました。
この空間の中にいると、すべて抱えている問題や悩みごと困ったことなどを忘れる事ができるからです。」
「そんなある日のことです。いつものように悩みを抱えながら、この店を訪れたときです。友達たちが1人の中年男性の話に耳を傾けていました。そして惹かれるようにその中に入っていきます。」
「その内容は1人の美学でした。」
「今までは、事あるごとに憂さ晴らしで諸問題を解決できている。と思っていたのですが、それは思っているだけでした。これが解決どころか悩みを増やし続けている事に気付かされたのです。」
新たなる世界
「このあと1人の時間を過ごすため、まず選んだのはレンタルスペースでしたが、どうも落ち着きません。そして次に選んだのは区立図書館でした。ここは人の気配を感じることもでき、その時のテーマに応じた本も手にすることもできます。」
「とっても居心地がよく翌日もここにきました。そして延べ4日通い続けたその結果、1人で過ごすことの大切さを身に染みて理解することができたのです。」
「今まででしたら、群れの中にいて何かを探そうとしていました。でも本心はそうではなかったのです。この静かで落ち着いた空間の中で過ごしている時間こそが自分を変えることができるんだ。ということを理解することができたのです。」
「ここからが新しい一歩のはじまりです」
賢者
・(カウンセラー)1人の時間を過ごすという事はとっても大事なことです。静かな空間の中で物事を考えたとき、今までとはまったく違う答えが導き出されてきます。
未来の計画をたてる時も、事業の立案をする時も、今まで解決できなかった悩み事も不思議と解決策が突然脳裏に浮かぶこともあります。
この空間だからこそ、新たな成長につながっていくのです。
・孤独と向き合うということは、寂しさや哀れではありません。もう1人の自分自身と向き合う貴重な時間でもあり賢者に育ててくれる財産でもあるのです。
サポート役
・先ほどの前世の職業について詳しく教えていただけませんか。
「大学を卒業したころでした。駅の構内を歩いていると、目の前に貼ってあった映画のポスターがやけに気になりだしました。それは吉原を舞台にしたもので、なぜか懐かしい思いを感じていたのです。」
「ここで、この世界の事をもっと知りたくなり図書館で本のページを開いていました。読み進めていくたびに、この光景がなぜか脳裏に浮かんでくるのが分かりました。このときです。もしかすると、ここで働いていたのか。」
「こう思ったときでした。花魁の着付けの手伝いをしている光景が浮かんできたのです。接客という立場にいたのではなく、女郎の身の回りのお世話をする立場に立っていたのでは。こう思えたのです」
前世
・(これにカウンセラーがこう答えます)今話されていた内容のとおりです。
この時代のあなたの出生地は津久井県(現:神奈川県)です。経済的に貧しいうえ大家族でしたので口減らし(家族の負担を減らすため子供を住み込みで働かせること)により、ここで働くこととなりました。
・物覚えもよく髪結いから着付け、身の回りの世話まで手際よく働くとっても評判の良い子でした。ところが、面白くないのが以前から務めている方々です。表立った嫌がらせはないものの仕事が一通り終わると、
それは、はじまっていきました。
与えられた課題
・(カウンセラー)現在と比べてみてどこか共通する箇所がありましたね。あなたはデビューと同時に、透き通るほどの歌声に注目が集まりつづけます。
毎日のように届くオファーに所属事務所も歓喜するのですが、その一方で嫉妬する者も現れだします。
根も葉もない噂や汚い言葉での嫌がらせも後を絶ちません。この事は事前に予測していたのですが、想像を上回るほどの攻撃がつづいていきました。
繊細な心の持ち主のあなたは、ついに社交性不安障害(SAD)を患ってしまいます。
そして朝を迎えると、いくら声を出そうとしても、まったく声帯が反応してくれません。歌手が歌声を失った瞬間でした。
何をどうしていいのか。ただ呆然とするだけの時間が過ぎていきます。
新しい未来
・(カウンセラー)繊細な持ち主のあなたにとって、これはあまりにも強烈すぎました。これほどの難題がなぜ襲ってきたのか。
それは逆境に打ち勝つための免疫力を育てるための課題であり克服するための学びだからです。
・今世に生命を授かる人間は天上界において課題を与えられて降りてきます。そして、生きていく上での組み立て方を知り成長していきます。この間、色々な課題が身近に起こりはじめます。
はじめのうちはスムーズなほどに解決するのですが、難題といえる課題が起き始めていきます。これを乗り越えていくことによって自らが成長していくのです。
これが与えられた課題であり学びの教育なのです。
病の原因
・今世に誕生したと同時に数々の試練を学びながら成長していきます。その経過において間違いないと思える生き方を見付けながら進むのですが、ときには逆方向へと向かわせようとする邪魔が入る場合も出てきます。
このとき精神面にダメージを与えることになります。すると声帯に損傷を与え、声が出せなくなります。
喉は体の根と言われる場所で体の異常を伝える大事な部位です。生きていくうえで大切な場所なのです。
霊的放射体(オーラ)
・声を出すことができなかったこの時期の原因を疲労の蓄積からきていると決めつけていたため本来あるべき赤(情熱的と行動力)がありません。そのため計画を立案しても実行に移せずにいます。
また、社交性不安障害(SAD)が改善されたにもかかわらず今もなお引きずり精神的な病から抜け出せずにもがいている状態です。まずは、この事に気付かなければなりません。
現在は緑(協調性と社交性)でおおわれています。これはこれでいいのですが、先ほど指摘した注意点を改善することで必要な色が与えられます。
最後に
声が戻るのに2か月ほど要したようです。ただ、社交性不安障害(SAD)は完全に回復したとはいえません。ここの回復プログラムに取り組んでいるようです。ただ、専属の看護師と個人的に出掛けていく用事も増えたとか。
さて、この出会いはどのような発展になっていくのでしょうね。
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