いつもそこにいる貴方はいったい誰なの(後編)

前編はこちらになります。

カルテ19 「思いもよらぬ、目に見えない力の正体が明らかになりました。ここからは守護霊のその存在と現世でのつながりが明かされていきます。そして、結婚相手のその事実に驚きがはしります」

守護するもの

・(カウンセラーが語りはじめます)中世のドイツです。ピアノに向かい音楽を奏でている20代の男性がいます。名はリストン。作曲家です。この方が、あなたの守護霊であり前世になります。

手掛けている曲は主にミュージカル風のものでした。コンサートはいつも満員御礼が出るほどの大盛況です。この人気は本国だけにとどまらず隣国からも多くのファンが集まるまでになっていきます。

絶望

ところが集まってくる方々はすべて一般大衆の方ばかりで貴族階級の方は1人も現れることがありませんでした。曲のリズムがあまりにも違い過ぎていたからです。

この方々にも幅広く広めていきたい。との強い思いを秘め色々な戦略をたてながら何年もの間、挑み続けていきます。が、1人として振り向くものがいませんでした。

もし、振り向いていたなら上層階級の貴族の集団からどのような仕打ちが襲い掛かってくるのか。知っていたからです。彼らの持っているプライドはかなりのものでしたから。

この事を知った上での挑戦でした。しかしここで、彼の思いの中で、

”もうこれ以上は無理だ!この壁はあまりにも高すぎる”

と諦めた時でした。めいっぱい張りつめていたものが、はじけていったのが分かりました。すると、あれだけあった闘争心が消え失せていき、この世界に背を向けていました。

そして行方知らずの人となっていました。奥さんと娘を残して。

霊的な悩み

・(カウンセラー)これがあなたの前世になります。時々、自分自身を好きになれずどうしたらいいのか、訳の分からない状態になる時があるはずです。ひとつの目標をかかげてもそうでした。書類を紛失したときもそうです。

とにかく、この悩みを日々抱え込んで自分と葛藤していました。その原因となっているのがここからきていたのです。

思いがけない内容に

・「(これに相談者がこう言います)今まで解決しようと思っても解決できなかった原因を理解することができました。それに前世では妻と娘を一方的に捨てていたとは・・・

そこで現在の妻との出会いから結婚までをお話いたします」

「2人の出会いはこうです。私の元にドラマのオファーが届きます。主演を務めるのは現在の妻でその脇役を演じるのが私です。役柄的には特に問題はなく稽古がはじまっていきました。

ここから2週間が経過したころです。稽古を終えた夜の7時ごろのことでした。彼女が食事に誘ってきたのです。」

「今後のドラマの演技の打ち合わせを兼ねながらの会食だと思いましたので承諾いたしました。その待ち合わせのレストランに行くと、すでに彼女は到着していました。雑談からはじまり演技の打ち合わせがはじまっていきます。思っていた通りの展開になっていったのですが、何かがちがいます。」

「すると、急に小声になりこう言ってきたのです。」

”ねぇ。私達結婚しない”

「冗談とも思えないし。このような事は初めての事でしたので。20秒ほどこの内容を飲み込み。こう返しました。」

”いいよ。一緒になっても”

「これが2人の出会いから結婚までの経緯になります。出会いからあっという間の出来事でした。まったく、このような展開を予想していませんでしたので、なんで彼女がいきなりこんな事を言いだしてきたんだろう。

自分も十分に理解していないうちに承諾をしたのだろう。それもまったく違和感がなく。なぜだろうと、ここの所に疑問を抱いています」

挑戦者

・(カウンセラーがこう答えます)奥様に対して疑問を抱くのは当然です。この方は前世の奥様だからです。ここからこの事について説明していきます。

・あなたがまだ駆け出しの頃です。バーでピアニストとして働いている時でした。演奏を終えたあなたに1人の女性が近寄り曲名を尋ねてきました。ところが出来上がったばかりのオリジナル曲でしたので曲名がありません。

この事をその場で伝えると、この女性がこう言います。

”今、私がふと思った曲名はこれよ”

”calm lakeside” 

”とっても穏やかな曲で湖の側にいるような感じがしたから”

そして、ここからでした2人が急接近していったのは。

交際も進み彼女は両親に伝えますが、金も無ければ親もいない。暮らしている所はボロアパートの一室。これにはもう反対です。2人が選んだのは駆け落ちでした。そして2人の活躍の場として選んだのは首都ベルリンでした。

ここでの努力も実り彼の快進撃がつづきます。この間、娘が1人家族に加わります。そしてこの時期に合わせ弦楽三重奏の活動もはじめたのです。

すると評判が評判を呼び、公演が開催されるたびに他国からの聴衆も集まるようになっていくのですが、貴族階級の方々は誰一人として来場してくれません。

妻の両親だけは絶対来てくれると信じ特別席をいつも用意していたのですが、空席のままでした。ここを見るたびに心痛の思いが走ります。ここまで成功したこの姿とこの曲をどうしても見せたかったし聴かせたかった。

これを最終目標として掲げていたのに、この壁があまりにも高すぎた。

どうしても叶えたかった目標なのに・・・

このとき脱力感が襲ってきます。

妻と娘を両親の元に帰そう。

ここで彼の挑戦は終わりを告げるのです。

再び

・(カウンセラー)現在の奥さんがあなたに初めてお会いしたのはドラマの打ち合わせの時でした。この時はどこかでお会いしたような気がしていました。そして毎日顔を合わせているうちに、過去のあの強烈な記憶がもう1人の自分の中によみがえります。

”私と娘を残して立ち去っていってしまったあの人”

どうしても伝えたい。それは、

”もう一度、一緒に最初からやり直しましょう”

そして自らが求婚する決意を固めます。そしてこれにあなた自身の記憶が反応しました。すべてがお互い同士の遠い過去の記憶がリンクしておこなわれましたので、今世のあなた方には、理解されないまま進んでいったのです。

近々2人の間にお子様が授かります。それも女の子です。あの時の家族が時を経て再びお会いすることになります。娘さんも2人に早くお会いしたいと思っていますので、お産まれになったら、

”産まれてきてくれてありがとう。私たちもとっても逢いたかったよ”

と声をかけてあげてください。

霊的放射体(オーラ)

カウンセリングの前と今では色に変化が出ています。体の中心部に丸い青があります。これを囲むようにして紫が存在し、さらに金がそれらを包み込んでいます。

青は基本的に知的で平和主義の方になりますので、常に冷静に物事を考え言葉に発しながら行動に移していきます。ですので、相手と議論するということはほとんどありません。

また、家族や友人らに対しても同様に接していきますので、信頼があり頼れる存在でもあるのですが、理想とするものがあまりにも高く誤解を招くこともしばしばあります。

紫は社交的で人を惹きつけるカリスマ的なものをもっているうえ、慈しみや本質を見抜くための精力が備わっていますので人との接し方も上手です。また志も高く人をリードしていく性格もあるのですが、あまりにも個性欲が強いところがあり冷静な判断ができない難点もあります。

金はもっとも尊く優れていますので知恵や発想力もあり、指導者としての活躍のステージに立ち人々を先導していきます。また精神力も強く独特ともいえる価値も備わっていますので、目標に向かい突き進んでいきます。

しかし、一方で欲が先行し間違った方向に判断が生じた場合は、この色は消えて無くなってしまい悪化の道をたどっていきます。

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