カルテ10 本日のカウンセリングはタレントの下野晶代(仮名)さんです。
1968年8月、京都府某市に出生。市内の高校を卒業後、大阪府内の大学に進学し某劇団に入団する。ここでの出会いが新たなはじまりだった。
悩みごと
「1通のオファーが私の元に届きました。ここから思いもよらぬ方向へと進みだしていき、そして気が付くと意外なところに嫁いでいたのです。
ここから苦難と言えるような日々がはじまっていった時でした。なにやら意味不明な不思議ともいえる出来事が起こりだしたのです。これはいったい何なんでしょう」
お尋ね3問
〇どのような経緯で嫁いだのか教えていただけませんか。
「男女が主演の舞台でパートナーを務めてくれたのが縁になります」
〇忘れることができない夢があったら教えていただけませんか。
「狛犬が2匹現れたことです」
〇不思議な体験がありましたら教えていただけませんか。
「家族以外に誰かがこの家にいるようです。今、現実に起こっています。何がなんだか。さっぱり分かりません。誰かがいるのは確かなんですけど」
出会い
・(カウンセラー)先ほどの嫁いだ経緯についてもっと詳しく教えてくれませんか。
「(相談者)30歳の時でした。舞台のオファーが手元に届きます。男女2人の主演で私と6歳年下の伝統芸能を志している男性でした。この共演がその出会いのはじまりになります。
彼は舞台は経験済みでしたが、分野がまったく違いますので、私がすべてリードしなければならない立場にありました。」
「そして手合わせの稽古がはじまったのですが、リズムがまったくというほど違い過ぎました。何度おこなっても同じです。本番の日にちも迫ってきています。
ここを何とかしないといけない。このような焦る気持ちの毎日がつづきます。」
「そんな中での初日公演がスタートしました。ところが何がおきたのでしょう。私がほんのちょっとリードしただけでリズムが取れ始めたのです。これには正直、本当に驚きました。」
「そして3日目のときには私がリードされる側にたっていたのです。ここから最終日間近まで息がぴったりです。このような中で千秋楽を迎えます。そしてすべての舞台が終わったあとでした。
観客も現場スタッフもすべてが総立ちで喝采を送ってくれたのです。想像以上の出来栄えに涙が自然とほほをつたい立っていられないほどに」
見えぬ存在
「この舞台の終了後の打ち上げでは、私はこの感動を彼に伝えきれないほど語っていたのです。すると彼がこう言います」
”舞台に上がった瞬間、スーッと体の中に何かが入ってくるような感じがすると、心と体が一体となったのがわかった。このあと舞台公演のはじまりのベルが館内に鳴り響いたんだ”
「これは何なのか分かりませんが、この気配がお互いを近づけたように思っています。その後、彼の子を身ごもりました。ここで私たちは将来の誓いをたて、不安がありましたが伝統芸能家系の若女将となったのです」
新たな命
・(カウンセラー)先ほどの夢のことについてもっと詳しく教えてくれませんか。
「(相談者)20歳の誕生日を迎えた日です。夢の中で私が神社に向かい合掌しながらお願いしている姿がありました。両脇には2匹の狛犬が座っていました。
このあと私たちは境内の脇にある”天国への階段”を歩き始めたのです。」
「下を見るとサッカーボールぐらいの大きさの地球の姿を見付けます。ここで私は立ち止まり狛犬に向かいこう言います。」
”ここまで来たならもう大丈夫。ここからは2匹だけで天国まで行きなさい”
「そして私は地球にもどってきました。ここからどのような人生がはじまっていくのだろう。このような考えで時が過ぎていきました。でも、これといったこともなく本日まできました」
・(カウンセラーがこう言います)この夢は遠い過去世からの願い事を叶えてあげるために現れたのです。この狛犬は、あなた自身の前世の魔を祓うためにこのような姿で2匹出てきました。
そしてあなたは、この生命体を自らが天国へと帰してあげました。これは新たな生命体を天国から授かることを教えてくれたのです。
それが、あなたの2人のお子さんなのです。
母親の思い
・それとですね。最初の子供を宿した時点で、あなたは親になったという自覚が芽生えました。そして出産のときの産声を聞いた瞬間です。この子は、どのような事があっても絶対に離さない。
このような思いになりました。そして同時に嫁ぎ先の伝統芸能を支えていく子なんだ。とも思っていましたね。(相談者:大きくうなずく)
それは常日頃からこの家の将来を深く考えていたからです。ここからは母としての仕事が加わります。気苦労も増えていきますが、毎日の楽しさも倍増していきます。
別れ
・(カウンセラー)つづいて前世の話をしますが、現在のあなたとの共通点に驚かれるかと思います。
・1300年ごろのチャン王朝時代のベトナムになります。あなたは朝廷の中で第三婦人としての立場に立たされていました。第一婦人には子が授からず、あなたに授かります。
しかし、ここのきまりでは子供を育てることができません。出産をしますが一度たりとも顔を見ることなく正室へと運ばれます。
一度だけでいいから抱きしめたかった。男の子なのか女の子なのかも教えてもらえませんでした。すべてがきまりです。
でも、ここの朝廷の中にさえ入れば、いつかきっと出会いがやってくる。この希望を持ちながらの日々が過ぎていきます。しかし、この願いは届かず精神的な病でこの世を去ります。
守る
・これがあなたの前世の我が子との別れになります。初めての子でしたから精神が病むほどの愛情がありました。
現在のあなたが出産したとき、本当に我が子が側にいるだろうか。このような気持ちからすぐさま抱きかかえようとしました。
これは過去の記憶からきているからです。この瞬間はとっても幸せでした。
前世とちがうのは目の前に子供がしっかりといるということです。長い期間待ちに待ったこの出会いは夢のようでした。ですから今がとっても幸せなのです。
もし、この子に何かがあろうものなら、命を捨ててまでも絶対に守ってやる。このような覚悟をもっていますね。(本人大きくうなずく)
では、つづけて守護霊の話をさせていただきます。
守護するもの
・1720年ごろの江戸時代です。場所は江戸蔵前。ここの商店街の中に比較的規模の大きい米問屋があります。ここの店の中心的な人物となっているのは女将さんです。
お客様からの評判も良く、この店で働く従業員の方々からも信頼のある方でした。この方があなたの守護霊になります。
あなた自身は今まで起きた数々の苦難を自らの意志によって解決してきたと思っているようですがそれは違います。
すべてこの方の支えがあって進められてきました。ですので大きな事態にならずスムーズに事を終えることができたのです。
導かれる
それともう一人おります。その方というのは、あなたをどうしても嫁として迎え入れたいという強い思いがあり、以前から人間性を観察していました。
そしてその結果、あなたのような方でなければこの家系を継承していくことができないと判断したのです。
もう、お分かりですね。あなたの義父です。
旦那さんと初めての舞台で2人が主演を務めたときです。パートナーを務めた旦那さんが”何かがスーッと体の中に入ってくる感じを覚えた”と言っておりました。
このとき憑依したのがお父さんだったのです。
そして2人は千秋楽の舞台で最高の演技で観客を魅了させてくれました。お互いも今までにない演技の充実さと心のつながりを感じ取っていたのです。
誰かいるの
・(カウンセラー)先ほどの不思議な体験について、もっと詳しく教えていただけませんか。
「10日前の事になります。2階の子供部屋で5歳の娘が近所の友達と一緒に遊んでいました。2人の話し声が1階まで聞こえてくるのですが、何かがちがいます。」
「2人だけしかいないのに、他に誰かがいるようなんです。変だな。と思っている時に友達の女の子が2階から降りてきて、私に向かってこう言いました。」
”おじちゃんと遊べてとっても楽しかった”
「えっ?と一瞬、思ったのですが。きっと、ゲームの世界の事だろうと思いながらも、娘のところに行き、おじさんの事を尋ねてみると。こう言います。」
”ほんの少し前に帰っちゃったよ”
「すかさず、どこに帰ったのかな?と尋ねました。」
”お空の、遠い向こうのほうだよ”
「何度か聞き返しましたが、何がなんだか。さっぱり分かりません。子供の事だからと思い、ここはこれで追及するのを止めてしまいました。」
また現れた
「そして、ここから数日後のことです。また2階の子供部屋から、今度は3歳の息子です。まちがいなく誰かと話をしているのが分かりました。
今回は、この正体を見なければ。この思いから、そっと部屋に近づき覗いてみると。」
「そこにいたのは、息子ただ1人。他に誰もいません。ここで私に気付いた息子がこう言います。」
”ママ!ほらここに、ちぃちゃなおじちゃん”
「そう言われても、私には何も見えません。まるで透明人間です。からかっているとは思えません。いったい、このおじちゃんって、いったい誰なの?」
助けて
「さらに3日後のことでした。娘の近所の友達がまた遊びに来ていました。お昼に近い時間だったと思います。その友達が私に大きな声でこう言ってきたのです」
”おばさん。お願い助けてあげて!”
「驚きながら、声が聞こえてきたトイレの方向に急いで行ってみると。扉の前に立っているではありませんか。その内容を尋ねると」
”私がトイレの水を流したら、おじちゃんも一緒に流れちゃったの”
「子供部屋の次はトイレ。このおじちゃんっていったい誰。まったく訳がわかりません。この正体はいったい何なんでしょう」
不思議な接点
・(カウンセラー)子供たちと一緒に遊んでいたおじさんの正体は自然霊になります。幼い子供は純情そのもので欲などもちろんありません。
その子らが無邪気に遊んでいるうちに、どこかで霊的なつながりがあったのだと思われます。
この霊は、害を及ぼすことはなく、この世において一度も姿をもったことがありません。お稲荷とか天狗とかがそうです。
今回は子供でしたが、大人でも優しく無邪気な方にはよく見えるようです。
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