カルテ22 本日のカウンセリングの相談者は芸人の斎藤ヒロユキ(仮名)さんです。
相談ごと
「子供の頃、毎日が地獄のようでした。それは、同級生からのいじめです。大人になっても、同じようなことが起ります。女にだまされたり、おもちゃにされたり。どうしたら、このような世界から卒業できるのでしょう」
生い立ち
1972年2月、宮崎県某市にて生まれる。地元の高校を卒業後、某産業大学に入学。ここでお笑いトリオを結成する。ここから紆余曲折を経験しながら本格的な芸能の世界へとはいっていく。
お尋ね4問
〇小学校の頃はどのような子供でしたか。
「いじめらられっ子だったり、人気者だったり」
〇生まれ変われるとしたなら何になりたいですか。
「美しい女性です」
芸人のものまね
・(カウンセラー)先ほどの小学校の頃について詳しく教えてくれませんか。
・「(相談者)背は低いし頭も悪いし、おまけに運動おんちでした。これが同級生の格好の餌食となっていたのです。休み時間となるとみんなからおもちゃのように扱われていました。
来る日も来る日も毎日が地獄のようでした。授業中はどうやって逃げたらいいのか。この事ばかり考えて勉強どころではありません。」
「そんな、ある日のことです。バラエティー番組の中で、
”アホちゃうねんでん。パーでんねん”
これを見て大笑いしたときでした。もし、これを教室でやったらウケるかも。そんなひらめきめいたものが走ります。そして録画を見ながらの練習のはじまりです。」
「そして2週間後。1時間目の休憩時間に教壇に立ち、みんなの前で披露したところ、大爆笑が起こります。次の休憩時間も、その次もです。まるで芸人のようにみんなが周りに寄ってきて笑顔で接してくれるのです。
「ここは僕の専用ステージになったんだ。と、自分に言い聞かせるほど優越感に浸っていました。」
「この日から、今までが嘘かのようにいじめがピタリと止まります。学校に行くのがとっても楽しくなり、家を出るのもいつもの時間より30分も早く出るようになっていたのです。」
「地獄から天国ってこの事なんだとしみじみと感じていました」
「さらに芸に磨きをかけるため、テレビに出演するお笑い芸人の名簿とそのネタを帳面に書きつづりながら、芸人のものまねの日々がつづいていきます。そして将来はお笑い芸人になる事を夢みるようになっていたのです」
直感が働く
・(これにカウンセラーがこう言います)バラエティー番組を見ながら、よくこの事に気が付きました。常に自身の身を守るためにどうすべきかを考えていた結果がこのように生まれたのです。
この年齢での直感と行動力は素晴らしいものがあります。そして将来の目標設定も立派です。
うらやましい
・(カウンセラー)先ほど生まれ変われるなら美しい女性と言っておられましたが、それにはどのような理由があるのか教えてくれませんか。
「(相談者)それは男性は美しい女性に対してとっても弱いところがあるからです。少し甘えただけで、なんでも許してもらえます。それと何でも買ってもらえますからね。
ものすごく得しているなぁ〜、
といつも思っています。それに世の中が女性優先とか女性専用とか。このような方向で進んでいますから、本当に得だらけだと思っています」
不平不満
・(カウンセラー)中にはそのような対応をしている男性もいるでしょう。でも、今の理由を聞くとすべての男性が、このように聞こえてきます。そのような事はありません。もう一度よく考え直してみてください。
それにこの内容を聞いただけで、なぜ自分は男に産まれてきたんだろう。と不満を言っているように聞こえてきます。この世に産まれてくる前に、あなた自身が
”男として産まれたい”
このように言って今世にやってきました。
それも神様・ご先祖様などの前で男性で産まれることを選択しました。さらに今世では、どのような仕事をするのか計画を立てたうえで降りてきました。これは宿命であり人間の力では変えることはできません。
これに不満を抱かず、もっと違う角度から見直してみることです。
現在のあなたは、天上界で約束してきた計画を実行し学んでいるところです。今ここのステージにいることを理解するようにしてください。
お尋ね2問
〇人生でつらかった時期を教えてください。
「ホストクラブに務めていたときです」
〇性格を教えてください。
「ネガティブです」
欲望のまま
・(カウンセラー)つらい時期にあったホストクラブのことについて詳しく教えていただけませんか。
「(相談者)ホストとの出会いは広告会社でアルバイトをしている時でした。ここの主任が前職のホストクラブの話を教えてくれました。とにかく女の子にモテる、給料が高い、華やかな世界、でも、そう甘くない。
毎日飲む酒がどうしても合わず、わずか2か月でリタイヤしたそうです。」
「これを聞いたときでした。頭の中は”女の子にモテる・給料が高額”この事だけがどうしても頭の中から離れません。そう甘くないのは、どこの世界も同じだろう。この程度にしか考えていませんでした。」
「そして、酒はそこそこ飲めましたので思い切って働いてみることにしました。いざ働いてみると、モテ具合は想像以上でした。こんなに楽しくて高額な給料がもらえるなんて、まさしくここは夢のような世界だと浮かれていたのです。」
罠
「そして数日後です。あの”そう甘くない”が現実になって襲い掛かってきました。それは女の子のおねだりです。電話番号と住まいの住所と勤め先を担保に支払いのツケを僕に託したものでした。
そして疑うことなく受け入れました。約束の一週間が経ちましたが店に現れません。担保の情報はすべて嘘でした。」
「これで懲りればいいのですが、同じことをさらに2度繰り返します。女のおねだりと色気に、いつもだまされてしまいます。家賃も光熱費も払えずホームレス生活のはじまりです。
こんな事になっても、やっぱり女にモテたい。なぜこう思うのかさっぱり分かりません」
ほしいのは本物の愛
・(カウンセラーがこう答えます)学生の頃を思い出してください。複数の女性から交際を申し込まれた事がありました。その中には、直感的に理想の相手だと思えた方もいました。
しかし、ここで交際を受け入れようとはせず、普通の同級生としてのお付き合いだけにとどまります。
社会人になってからもそうでした。理想とする女性との出会いがあったとしても、これ以上の進展がなく友達としてのお付き合いだけで終わってしまいます。
あなたはこの事をよく分かっているのですが、実はまったく分かっていません。
ここが一番の問題になっています。本当にほしいのは見せかけの恋愛ではなく母性本能的な愛がほしかったのです。
この原因となっているのは前世に問題があるからです。
語られた言葉に絶句
・1580年頃の安土桃山時代です。大阪に宝来屋という米問屋がありました。ここの主人は商いが上手で関西では5本の指に数えられるほどの繁盛店でした。多忙な日が続く中、吉報が入ってきます。
それは、はじめての子供が産まれたことです。それも男の子でした。この子供があなたになります。
・待望の子供でしたので、家族からの愛情をそそがれながら育っていきます。ちょうど6歳の誕生日でした。母が父が大事にしている伊万里焼の皿を壊してしまいます。
この事を旦那様に報告すると、怒るというよりも、そのかけらの前で落胆しここからまったく動こうとはしません。この落ち込みかたは普通ではありませんでした。
この姿を見て、嫁としてここの家に残ることができない。と判断します。
そして2日後の朝、あなたを残し家を出ていきます。家中を探して歩くあなたに対して祖父がこう言います。
”お母さんに、捨てられてしまったんだよ”
これを聞いて心に強く突き刺さったのでしょう。うずくまりながら泣き叫びます。母がいないと分かっていても泣きながら部屋中を探して歩く日がつづいていきます。
ここから十数年が経過します。あなたは花街に母のような愛を求めて毎日のように捜すようになっていきます。でも中々、想像の出会いを見付けることができずに、最後には精神的な疲労が重なり病の床に伏してしまいます。
引きずる記憶
・ここまでがあなたの前世です。
この強烈な思いが記憶となって未だに残っていますので、見た目の恋愛感情だけのような出会いを受け入れることができないからです。たとえモテたとしても同様の結果になってしまいます。
それに時々めまいがして2-3日寝込むことがありますね。(本人がふかくうなずく)これは前世の影響からきています。
心が開けない
・(カウンセラー)先ほど性格についてネガティブと答えていましたが、このことについてお尋ねいたします。
・今からお尋ねする女性は母親です。現在まで接してきて十分な愛を受け取ってきました。この事を理解してはいるのですが、いつもどのように接したらいいのかが分からずにいます。
感謝の言葉をかけようと思っていても、喉元から出てきません。恥ずかしいとか、照れくさいとか、このような事ではないのに。本当に複雑な思いをいつも感じていますね。
・「(相談者)どのような表現で接していいのか分からずにいます。宮崎の母親に連絡をしたのは10年ほど前です。仕事の事や私生活の事や色々話をしたいことがあったのですが、なぜか言葉が出てきません。
二言三言、話して終わりました。今でも連絡したい気持ちはあるのですが、やっぱりダメです」
愛の気付き
・(カウンセラー)この原因となっているのは、前世の母親が失踪したことにより、ここで愛が突然遮断されてしまいました。
子供の心には、これはあまりにも強烈すぎました。この影響がかなり大きい原因となっています。この記憶が邪魔をしているため、今世の母親に対して打ち解けようとするための手段を知らないからです。
・現在の性格はネガティブがもの凄く強いです。まず、これを壊していきます。こうすることによって心が開き解放されます。そうすると、人から愛を受けるたびにこれがどのようなものなのかが理解できるようになっていきます。
テーマ
・(カウンセラーが守護霊を語りだします)時代は江戸初期です。
甲州街道沿いの宿場町の中に仏像の専門店があります。ここの木彫刻師の作兵衛は優れた技術の持ち主で、各々の作品には命が授かっていると言われるほどの名人です。この方があなたを守護している霊になります。
今から、この方の助言をお伝えします。
会話の一歩
・母親に対しての心と気持ちの通い合いをすること。自ら会話をしていこうと意識を高めていかないと結果は出てきません。かなりの抵抗があるでしょう。
でも、この扉を開けることができるのは、あなたしかいません。
まずは朝の挨拶だけでも毎日連絡を入れることです。そうすると、徐々に内容が増えていきます。ここまでくると母親の心が開いていますので、その話を素直な気持ちで聞いてください。
このことによって、あなた自身の扉も開き他人も受け入れるようになっています。
許すこと
・過去に親の失言によって受けた心の傷がまだ癒えていません。この傷を消すには、親も一人の人間です。間違いもあれば忘れることもあります。
すべてが正しいわけではありません。完璧な人間はどこにもおりません。このように思うようにします。そして許してあげることです。
・異性から好意を得られるタイプですので、特定の相手が決まったら甘えてみること。相手にもよりますが愚痴を聞いてもらったり、聞いてあげたりすることです。
このような習慣がついていくと、理想としている恋愛に進んでいきます。
最後に
彼の毎日の努力もあり母親との関係が修復されました。理想とする女性との出会いもあり週末はいつも2人で趣味の釣りに出掛けているようです。今度、三浦半島の三崎港に一緒に出掛けるそうです。
三崎といえばマグロですよ。この狙いだったら一緒に行きたいものです。
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